先般、”離婚届けを早く提出したい”について、なにやら怪しげな相談が入りました。
普通ですと離婚については、離婚したい配偶者側が離婚に応じない相手に別れさせる為の協力を得たいという内容での相談だったり、逆に、離婚を告げられている側が離婚を回避する為に復縁工作をという復縁相談になりますが、今回の相談はちょっと様子が違うようで、離婚を告げられた妻が離婚届けを急いでいて、旦那側の手続きの関係で離婚届けの提出が遅れているとの事ですが、離婚を告げられた側の奥さんが離婚届けの提出を急ぐ意味が不可解です。
相談内容については以下のとおりです。
旦那から離婚を言い渡されました。
しかし、旦那が財産分与の手続きを怠っており、離婚届を提出できません。
旦那と仲良くなる工作をしてもらい、旦那の免許証を入手してもらいたいのです。
その後、免許証を私に渡してもらい、私は旦那に似た男を使って離婚届を提出しようと思っています。
協力してもらえますか？
※プライバシーの観点から一部内容を修正しております。
この相談について、相談者である奥さんの要望していることは
１、旦那の免許証を入手してほしい
２、旦那免許証を渡してもらう
３、旦那に似た人物(他人)と一緒に離婚届を提出する
正規の手続きを踏まずに離婚届けを提出とは…犯罪の匂いがプンプンします。
『旦那が財産分与の手続きを怠っている』という事に深く関連してくるんではないかと思われますが…。
そもそもこの人は、勝手に提出した離婚届について”無効”になる事をご存知ないのか？
無効になるどころか、これは明らかに、離婚届の偽造にあたりますし、違う人間を遣って離婚届の勝手な提出も犯罪になる可能性がありお断りせざる終えませんよね。
もしも、弊社が旦那の免許証を何らかの形で入手し、その免許証を嫁である相談者が離婚届を提出し、仮にそれを知った旦那が上記のような犯罪を理由に、被害届を出したり刑事告訴・告発する可能性だって十分考えられるわけですから、実際にこの犯罪に弊社が加担した場合には罪に問われかねませんから。
有印私文書偽造罪は、作成権限のない者が他人の印章、署名を使用するか、偽造した印章または署名を使用し、私文書を偽造する罪。 有印私文書変造は、他人が押印または署名した私文書について、有印私文書偽造罪（刑法158条）が成立し、それを役所に提出すると、偽造有印私文書行使罪（刑法161条）が成立。 法定刑はいずれも3月以上5年以下の懲役刑。
勝手に虚偽の離婚届を役所に提出し、戸籍を書き換えさせると「電磁的公正証書原本不実記録罪」という犯罪が成立。つまり戸籍という公的な電子記録を嘘の書面によって書き換えさせたことが犯罪になる（刑法157条）。
この場合の刑罰は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金刑。
この場合、弊社で協力できる事は、犯罪を犯して旦那からの免許証入手ではなく、離婚届けを提出に向けて旦那さんを誘導していく工作でなら依頼をお請けすることは可能なんです。
法律に抵触しない方法で協力する事はやぶさかではありませんが、犯罪に加担するわけにはいきませんので、この様な相談についてはご遠慮頂きたいと思います。
