あれは深夜の1:30だったと記憶してるんですが、相談窓口の電話が鳴りました。
こんな時間ですから、酔って電話してくる相談者もいなくはありませんが、酔っぱらっている様子でもなく、しっかりした口調ではあるんですけど、妙に遠まわしな話しをしてくる相談者です。
「私、24時間受けつけている所を探していたら、ここが出てきたんで電話したんですよ」
24時間受け付けている所?はてどういう意味なんでしょう?
相談者には、何か悩みや相談があって弊社に辿りついて電話されたんではないですか?と問うわけです。
すると、
「ここは何をしている会社ですか?」
「弊社は探偵会社ですよ」
「・・・」
なぜ無言なのか?
すると相談者ぽつぽつと話を始めました。
「これから話す事は他言無用で他に漏れる事はないんですよね?探偵さんであれば秘密保持ってありますもんね?」
やはり、探偵会社とわかった上で弊社に電話していたことがわかります。
よく弊社に電話をかけてきて「間違えました」と言って電話を切る人がおりますが、検索しホームページを見て電話してきているんですから、相談したい内容ははっきりしているはずなんですよね。
相談者は「これからする話は、私の事ではないんですけど、例えばの話ですよ!例えば復讐を考えている知人や友人がいたとして…復讐の依頼はこういう所は請けてくれるんですか?」
例えば?
知人友人に?復讐したい人がいる?
弊社は、探偵会社ではありますが、復縁、別れさせ、出会い、中には復讐といった依頼を請けておりますので復讐に関しても、犯罪に加担しない前提でお請けする事はありますが、依頼内容が犯罪に加担するような案件であれば依頼を請ける事はありません。
自分の事ではないという念押しがありながら話は続きます。
「本当に自分の話ではないんですが…。私は加害者の方で、復讐したいと思っている相手は被害者なんですよ…」
あれっ?
復讐しいたいのは自分だって言ってるじゃないですか!?と思いながら話を聞いていくと、「まぁ執行猶予っていうんですか、それになったんで良かったんですけど、やっぱり許せなくてね…あなたがたもこういう業界だから言っている意味わかると思うんですけどね。暴対法が出来てから色々やりにくくなってね…」
敢えて何があったのか聞くことはしませんが、『こういう業界だからわかると思う』という意味は理解に苦しみます。
しかもこの相談者は、”私は堅気ではないですよ”と仄めかしている事に気づいていないんでしょうかね?
この相談者に一体どんな事があったんでしょう!?
執行猶予といえば、『刑の執行を一時的に猶予する』という事になりますから、何らかの犯罪を犯して逮捕、拘留、起訴され実刑判決をうけたという話になります。
つまりは『加害者』『被害者』という関係性で、相談者が加害者で、復讐したい相手が被害者だということになります。
何があったのかはわかりませんが、相談者自身が弊社に依頼をし復讐を完結することで納得するのであれば内容次第では依頼をお請けいたしますが、所謂、”反社”という事であれば話は別で依頼はお請けできません。
相談者にお聞きすると、
「復讐なんて大金掛けてやるもんじゃない事くらいわかっているんですけどどうも気が晴れないというか…。まぁ、そんなお金ないんですけどね!誰にも話しできなくて誰かに話したくて電話してみたんですけど、ちょっとすっきりしました。この話は聞かなかったことにして下さい。ありがとうございました。」
電話は切れました。
深夜の、復讐したいという内容だったんですが、誰にも話することができないため弊社に電話してきたというわけですが、まぁ、復讐を実行したところで、自分にも相手にも良いことはありませんし、話しができて気持ちが少しでも楽になって考えを改めてもらったのであればそれでいいんですがね。