「嫁が子供を連れて家を出て行ったので捜索願いを出そうと思って警察に行ったのですが、警察から奥さんと子供はシェルターで保護していると言われました。どうしたらいいんでしょう?」
深夜に、男からボソボソとかぼそい声でかかってきた電話です。
”シェルターで保護されている”となれば、保護されている女性DV被害者という事が予想されますが、事実を確認しなければなりませんのでこの男に質問してみました。
『何故、奥さんと子供がシェルターに保護されているんですか?』
男は言葉を発する事なく黙っています。
DV加害者とは答えづらいんでしょうね。
こちらも無言で男が話し出すのを待ちます。
男が言葉を発しました。
「色々あって…」
『何が色々あったんですか?』
男はまたダンマリです。
再度質問してみます。
『シェルターに保護されているという事は、DVの加害者である配偶者等から隔離して保護する為の施設なんですが、ご主人さん何か心当たりがありますか?』
「そうですね、あの…」
その後男は又言葉に詰まっているのか、本当の事を話したくないのか、また黙ってしまいました。
こうなったら我慢比べです。
男が話し出すまでこちらもダンマリを貫きます。
数分後男がやっと言葉を発しました。
「DVというか、そのような感じの事はした事ありますけど…」
そのような感じの事!?
男が言っている”そのような感じの事”が、嫁からするとDVを受けたという事なんですが、男は自分がDVの加害者だという自覚はありながら、それを認めようとしていません。
『ご主人さん、そのような感じの事って何でしょう?奥さんとお子さんはシェルターに保護されているんですよね?そんな単純な話ではないと思うのですが?』
男は「嫁を殴ったり子供を叩いたりした事はありますけど…。それより、シェルターは何処にあるのかは警察は教えてくれないんですか?いつまでそこにいるんですか?家に戻って来ないんですか?」
奥さんと子供が出て行ってしまった原因を作ったのは自分自身ではないんですか?
その事実を棚上げし自分が聞きたいことばかりを質問するこの男の身勝手な話を聞いている事がストレスでしかありません。
自分が嫁と子供にDVをした事は認めたと思ったら、それに対しての反省の気持ちが一切なく、嫁の居場所を突き止めようと何か方法がないかだけを考えているようです。
こんな勝手なDV男の話など知ったことではありませんし、うんざりです。
『DV被害者の居場所を加害者側に教えるわけないですよね?加害者であるご主人さんは反省しているようにも見られませんし、まぁ反省したからと言っても奥さんと子供は戻って来る事はないと思いますけど』
男は「待つしかないんですかね?」
待っても2人は戻ってくる可能性は考えづらいのと、DVで嫁と子供を支配していた男ですから離婚を免れる事はないのでは?
この男が復縁を考えているのかは定かではありませんが、奥さんの居場所を知ろうとする前にまずは、これまで奥さん子供に対し恐怖支配してきた自分の過ちを振り返って猛省する時間にあてて欲しいものです。